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欧州特許庁(EPO)への出願とその後の訴訟手続きに掛る費用を低く抑える方法。  

欧州特許庁への出願とその後の訴訟手続きに掛る費用のほとんどは避け難い。これらの費用は所定の手数料もしくは欧州特許条約(EPC)と欧州特許庁の司法に関して、審査官により言及された先行技術を考慮して、クレームの事項の新規性と進歩性を説明する等の欧州弁理士による実体的な仕事に掛る料金である。

しかしながら、一部形式に係わる費用であり、しばしば相当な額になる。形式的に必要な特定の情報を探して欧州弁理士は、注意深く全ての出願書類に目を通すのに膨大な時間を費やさなければならないかもしれない。この時間は顧客が支払うことになる。

もし日本弁理士がすでに欧州特許条約の形式要件に従って出願書類を提供すれば、ヨーロッパ側では費用を軽減することが可能である。そのためには日本弁理士が欧州の正規の手続きに通じ、書類を欧州弁理士に送付する前にそれ相応に出願書類を準備する必要がある。したがって、本質的には日本弁理士が欧州弁理士の仕事を代行することになる。通常、日本弁理士は欧州弁理士より当該オリジナル出願テキストに通じているが、この利点は欧州特許庁の形式要件に欧州弁理士より熟知していないという不利な点により相殺されてしまう。
   
 

あなたの欧州弁理士を支援しよう!

欧州弁理士を支援することが費用を軽減する効果的な方法である。日本弁理士が少し余分に時間を掛ければ、欧州弁理士は多くの時間を節約することができる。日本弁理士は 三つのルールを守るべきである。第一と第二のルールは出願書の原稿を書くに際して、そして第三のルールは欧州特許庁の審査の段階において 欧州弁理士に指示を与える際のものである。


 

ルール1: 明細書の内容一覧表を提供しよう。


 

欧州特許出願の審査中、審査官と特定の事項に取り組む際、内容一覧表があれば、欧州弁理士は迅速に明細書のどこにその事項が扱われているかを探し当てる事ができる。


さらに欧州分割出願される際、内容一覧表は親出願の全文を含む分割出願をした後、確実に分割出願でクレームされた事項に関連するその部分を探し出すのに役立つであろう。

内容一覧表は簡略な形式で、主要項目の翻訳や明細書の各パラグラフの第一行目の翻訳のプリントアウトでも構わない。望むらくは各々の翻訳文のパラグラフ番号もしくは何ページ目かが分かった方がよい。

 

ルール2: 図面の符号を優先出願のクレームにも記載しよう!


 

欧州出願書のベースとなるように意図されている日本の(優先)出願書を書く際、日本語の出願に図面の符号を記載し、欧州弁理士にこのバージョンの翻訳を提出すること。


 

ルール3: 欧州特許庁へ提出されたオリジナル出願書と修正されたクレームを関連させよう!


 

欧州出願の審査中欧州弁理士に修正クレームを提出指示する際、日本弁理士はオリジナル出願書のどの部分か、少なくとも新しく修正クレームに導入された各々の特徴の文字通りの開示の一ヶ所を正確に示すべきである。各々の新しい特徴は、オリジナルクレーム、オリジナル明細書より又は/もしくはオリジナル図面より引用されていなければならない。

 

欧州特許庁は開示事項に固執するので、審査官が許されない請求の範囲の拡張により、拒絶するのを避けるためにはオリジナル出願書類中の新しいクレームのベースは非常に慎重にチェックされるべきである。欧州弁理士にとっては大変時間の掛る作業であるが、日本弁理士は、自分自身で出願書を作成したか、もしくは少なくともその発明について顧客と話し合いをしているので、通常欧州弁理士の作業を容易にすべく明細書の関連箇所を難なく見つけることができる。

特許付与後の許されない請求範囲の拡張に基づく攻撃に対して修正クレームがすきのない、完璧なものであるよう確実にすることが重要である。欧州特許付与前とは違い、付与後は、例えば異議申立て中、欧州特許のクレームは保護を拡張させるようには、修正されてはならない。それゆえ特許権所有者の手段は限られてくる。オリジナル出願書に記載されていない特徴を取り除くことは通常よい広い保護範囲へ導くので、特許権所有者が許されない請求範囲の拡張への攻撃の下でクレーム修正するのは困難かもしれない。したがって、最悪の場合、特許権所有者は逃れられない罠に陥ることになる可能性があり、特許は無効になる。


報告: Dr.Fechner 2002714
 



忠告: この出版は、一般的興味のある読者に知的所有権法に親しんでもらうために作成されています。これは、情報の目的の為に限られており、仕事を得る為のものではありません。又、法律的アドバイスをするものではありません。法律相談は、各事例に基づいてなされるべきです。著者とこの情報の関連者は出版に含まれる情報の使用に関して何ら責任を負いません。